アチェ伝統刺繍文化展のお知らせ(Pameran Budaya Sulaman Aceh)

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インドネシア文化宮(GBI)の2007年の文化展示会はスマトラ島でスタートしました。まず2月3日~3月31日の二ヶ月間、『スマトラ島ランプン州伝統タピス(金刺繍)展』を実施。そして第二弾もスマトラ島の一州に焦点を当てます。対象は、正式名でナングル・アチェ・ダルサラーム(NAD)州、略してアチェ州です。
ランプン州とアチェ州は、共に面積世界第5位のスマトラ島に位置します。最大の相違点は、ランプン州が同島の最南端に、そしてアチェ州が最北端にあることです。GBIでは、この二州の文化的共通点として「刺繍」に着目しました。双方の州にはインドネシア国内でも、その豪華絢爛度において双璧と呼ぶに値する見事な刺繍文化が開花しています。タピスと呼称されるランプン州の金刺繍とウスス(腸)刺繍。一方、アチェ州では金糸ばかりではなく銀糸をも用いたタペストリや、その刺繍技術を応用した各種の製品を見ることができます。
30年以上にもわたる分離独立運動に揺れ、さらに2004年12月26日に襲った大地震と巨大津波によって17万名もの犠牲者を刻んだアチェ州。被災二周年を経て、復興の槌音が一段とスピードを上げてきています。
インドネシア文化宮では、下記に述べるように、2002年以降これまでアチェをテーマに数々の文化イベントを実施してきました。未曾有の地震・津波被害から立ち上がるアチェの人々を微力ながらも支援していくため、災害直後にJAN(ジャパン・アチェ・ネット)を立ち上げ、現在も主に文化面で支援を続けています。アチェの人々が紛争と天災の後遺症からテークオフを試み、自立の道を歩み始めた今こそ、その自立の側面支援として、これも微力ではありますが、アチェが誇る刺繍文化を紹介することによって、何らかの経済的活路を見出す一助にならないものか、との思いから今回の展示会を企画しました。
支援を受ける立場から解き放たれて、自らの努力で自立の糧を模索する伝統刺繍産業に従事する人々。GBIは、2007年1月、同州を南北に縦断する旅の過程で、伝統刺繍文化を守り続ける、手仕事に生きるアチェの人々と出会いました。展示総数およそ300点。州都バンダアチェから最南端の東南アチェ県に至る、北部海岸部と中央山岳部で生まれたアチェ刺繍文化の真髄に触れる展示会です。



【名称】 アチェ州伝統刺繍文化展
【期間】 2007年4月14日(土)~6月16日(土) 11:00~18:00 但し、日曜・祝日並びに最終日を除く第1&第3土曜日はお休みです。また、雨天などの悪天候の日も、予告無しに閉める場合があります。
【展示品】 タペストリ、刺繍バッグ、衣装、書籍、音楽CD&VCD、楽器など計300点
【特別展示】アチェ人アーティストのマフディ・アブドゥラ氏製作のアチェ州最大の家族コマ(独楽)計5点
【主催】 インドネシア文化宮、アチェ州政府
【後援】 じゃかるた新聞、「Serambi Indonesia」紙、メトロTV
【場所】 インドネシア文化宮(GBI) JR高田馬場駅より徒歩約6分
【入場】 無料
【備考】 2007年6月には、同州より文化使節団が来日する予定です。



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NAD州は、スマトラ島の北端に位置し、西にインド洋、東にマラッカ海峡を抱える。古くから東西交易の十字路としての役割を果たした。イスラム教は、ここアチェを経由してインドネシア、そして東南アジア地域に入った。


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NAD州地図。インドネシア文化宮(GBI)は、2007年1月、州都バンダアチェから東南アチェ県まで、北部海岸から中央山脈部を縦断し、各地で伝統刺繍製品の収集を行った。A → 州都のバンダアチェ(Banda Aceh)、B → ピディ(Pidie)県の県都シグリ(Sigli)、C → ビルン(Bireuen)県の県都ビルン(Bireuen)、D → 中アチェ(Aceh Tengah)県の県都タケンゴン(Takengon)、E → ガヨルス(Gayo Lues)県の県都ブランケジェレン(Blangkejeren)、F → 東南アチェ県(Aceh Tenggara)の県都クタチャネ(Kutacane)。


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中アチェ県の伝統モチーフ。流れる雲を表現している。


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アチェ州各地の刺繍バッグ。マレーシアやタイ、シンガポール、そして中東地域にも輸出されている。


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アチェ州各地の伝統モチーフ。



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東南アチェ県クタチャネの刺繍傘。結納や結婚式のプロセスが手刺繍で絵巻の如く描かれている。


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東南アチェ県の刺繍傘のモチーフ。


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西アチェ(Ache Barat)県の県都ムラボ(Meulaboh)製のタペストリ。孔雀がモチーフ。


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ガヨルス県製のテーブルセンター。


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ガヨルス県の伝統刺繍衣装。


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アチェ人画家マフディ・アブドズラ氏製作の“アチェ最大の家族コマ(独楽)”。父コマ、母コマ、そして3人の子どもコマから構成。


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父コマの直径は約38cm、高さは約28cm、重さはおよそ11kg。周囲にマフディ氏が描いたアチェ民族の生活史が。出会い、恋愛、結婚、出産などの通過儀礼が鮮やかな色彩で表現されている。まさにアチェ絵巻!


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素材はナンカの樹。素材探しから完成まで二ヶ月を要した。


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【展示会場の光景】


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【アチェ独楽参考ブログ】

インドネシアのコマ(独楽)文化(No.8)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200703/article_9.html

マフディ・アブドゥラ氏ホームページ
http://www.mahdiart.com


【アチェ州縦断フォト】

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州都バンダアチェの津波上陸地点であるウレレ(Ulee Lheue)海岸。防波堤の建設が続く中、日曜日には憩いを求める市民で賑わう。


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津波で壊滅的な被害を受けた大アチェ県(Aceh Besar)のランプウ村は、トルコ政府の全面支援によって、およそ700戸の住宅が整備され、津波から生還した大きなモスクの修復も終わった。今では“トルコ村(Kampung Turki)”とも呼ばれている。


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ピディ県の県都シグリの街並み。


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ビルン県の県都ビルン市内。


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中アチェ県の県都タケンゴン市内。


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タケンゴン市の脇に巨大な湖がある。ラウト・タワール(Laut Tawar)湖。(撮影:Hari Teguh, Harian Serambi Indonesia)


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中アチェ県とガヨルス県の県境。“ルセール・アンタラ(Leuser Antara)州へようこそ”のゲートが。未だ実在しない州だが、アチェ州の二分割案が数年来議論されている。


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ガヨルス県の県都ブランケジェレン市内で刺繍工房を営むマリア・アスマさん。数人の縫い子さんと共に、ガヨルス県の伝統文化を守り続けている。


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東南アチェ県の県都クタチャネは、高い山脈に囲まれた盆地に発達している。清いアラス川が近くを南に向かって流れている。北スマトラ州にも近く、アチェ文化に限らず、バタック民族やカロ民族の香りも漂う。


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クタチャネ郊外には豊富な湯量の温泉が湧き出している。市民は、無料で硫黄泉を楽しめる。


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アチェ伝統刺繍製品を首都ジャカルタで懸命に紹介・販売している、ピディ県出身のライディン氏。首都でも人気が高いアチェ製品は、彼の功績無しには語れない。今回の展示には、ライディン・コレクションも並びます。


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【GBI並びにJANのアチェ関連活動記録】

2002年1月19日~6月29日 アチェ人画家マフディ個展
2004年12月26日 スマトラ島沖地震・津波発生
2005年1月15日~7月25日  戒厳令下アチェ報道写真展(東京)
2005年1月~11月 日本国内20ヶ所以上で『アチェ報道写真展』&『アチェ津波絵画展』
2005年1月15日 第53期インドネシア理解講座(アチェ復興のために私たちにできることは?
JAN=ジャパン・アチェ・ネット設立
2005年1月29日 第54期インドネシア理解講座(メトロTVアチェ地震・巨大津波被害報告DVD)
2005年2月12日~4月15日 アチェ風刺漫画展
2005年2月12日 第55期インドネシア理解講座 『5時間で話せるアチェ語』
2005年3月5日 第56期インドネシア理解講座『アチェ現状報告』&『4時間で話せるアチェ語』
2005年4月~5月 JAN共催の全アチェ州小中学生絵画コンクール&高校生作文コンクール
2005年4月16日~6月17日 アチェ津波被災児童絵画展
2005年4月16日 第57期インドネシア理解講座『アチェ現状ビデオ報告』&アチェ・カレー試食会
2005年6月18日~9月16日 アチェ“津波”絵画展(児童絵画&マフディ氏作品計27点)
2005年12月26日 絵本『Nyawoung(いのち)』出版(東京・アチェ)
2005年12月26日 『アチェ詩集全集』出版(アチェ・東京)
2006年12月26日 スマトラ島沖地震・津波一周年の集い
2006年1月7日~21日 スマトラ沖大地震・津波から一年『絵画・写真展』神戸市・ひょうご国際プラザ
2006年2月9日 『世界を震撼させたアチェ津波』出版(アチェ・東京)
2006年12月26日~12月29日 アチェ巨大津波二周年報道写真展



【参考ブログ】

映像で見るアチェの今昔
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200701/article_2.html

スマトラ島沖大地震・巨大津波二周年報道写真展のお知らせ
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200612/article_7.html

アチェ&早春賦(映画:二つの故国をつなぐ歌)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200702/article_2.html

2007年8月30日付け「Serambi Indonesia」紙に掲載された映画上映会に関する記事
http://www.serambinews.com/old/index.php?aksi=bacaberita&rubrik=1&topik=13&beritaid=33867

2007年4月15日付け「Serambi Indonesia」紙に掲載された展示会に関する記事
http://www.serambinews.com/old/index.php?aksi=bacaberita&rubrik=1&topik=20&beritaid=27584

2006年12月26日付け「Serambi Indonesia」紙に掲載された展示会に関する記事
http://www.serambinews.com/old/index.php?aksi=bacaberita&rubrik=2&topik=39&beritaid=23554

2006年3月1日付け「Serambi Indonesia」紙に掲載されたジャパン・アチェ・ネット(JAN)と同紙による津波記録本出版に関する記事
http://www.serambinews.com/old/index.php?aksi=bacaberita&rubrik=1&topik=26&beritaid=15801

2005年12月26日付け「Serambi Indonesia」紙に掲載された展示会に関する記事
http://www.serambinews.com/old/index.php?aksi=bacaberita&rubrik=2&topik=39&beritaid=14753

2005年10月20日付け「Serambi Indonesia」紙に掲載されたアチェ詩集本「慟哭の歌」出版に関する記事
http://www.serambinews.com/old/index.php?aksi=bacaberita&rubrik=3&topik=46&beritaid=13505

2005年8月23日付け「Serambi Indonesia」紙に掲載されたジャパン・アチェ・ネット(JAN)と同紙との協力関係に関する記事
http://www.serambinews.com/old/index.php?aksi=bacaberita&rubrik=1&topik=46&beritaid=12183

2005年8月20日付け「Serambi Indonesia」紙に掲載されたジャパン・アチェ・ネット(JAN)と同紙による津波記録本出版に関する記事
http://www.serambinews.com/old/index.php?aksi=bacaberita&rubrik=3&topik=20&beritaid=12116



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