インドネシア文化宮(GBI-Tokyo)

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zoom RSS 芳野未央のアロール島紀行「ウォーレス線を越えろ!」(No.15) Ke Pulau Alor,NTT

<<   作成日時 : 2010/12/01 00:00   >>

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インドネシア文化宮(GBI)は、2002年〜2008年の7年間にわたって、NTT(東ヌサトゥンガラ)州アロール県(Kab.Alor)との共催で、文化活動を軸とした島興しプロジェクトである大文化祭『エキスポ・アロール』を実施しました。“海のシャングリラ”と言っても過言ではない、美しい海底サンゴの園を有するアロール島とパンタール島、そしてブアヤ島、テルナテ島、プラ島、ケパ島などから成るアロール県。

GBIの呼びかけに応じて、これまで延べ数百名の日本人が現地を訪れた。そして、今夏、ナタラジャ・バリ(Nataraja Bali)を主宰するバリ舞踊家の芳野未央さんが「ウォーレス線を超える」との長年の夢実現を目指して、アロール島に旅立った。中学生の時、初めてバリ舞踊を見て感動。高校に入ると直ちに舞踊練習に着手。大学時代にはバリ島通い---と、芳野さんとバリ島との付き合いは筋金入り。

そして、卒業論文のテーマに「バリ島のコオロギ相撲」を課題に選び現地調査。バリ舞踊からコオロギまで。そういえば、あの『昆虫記』のジャン・アンリ・ファーブルも、昆虫研究の一方で、作曲家としての顔をも持っていた。ひょっとすると、芳野さん、舞踊家の裏面に博物学者の姿を隠しているのかもしれない。以下、シリーズでお届けする芳野未央の『ウォーレス線を越えろ!』紀行。


イカット製の伝統衣装姿のアロールの少女たち。県都カラバヒの舞踊グループのメンバー(撮影:GBI)。

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バリ島の東側には、ウォーレス線が通っている。ウォーレス線は、アルフレッド・ウォーレスが発見した生物の分布境界線だ。バリ島はアジア区。ロンボク島以東はオーストラリア区。ウォーレスは、マレー諸島(現インドネシア)の採集旅行を通して、ダーウィンと同時期に独自に進化論に到達した。進化論の島はガラパゴスだけじゃない。インドネシアだって進化論の島々なのだ。(ウォーレスの『マレー諸島』は、旅行記としてとても面白いので、ぜひご一読ください。)インドネシアに通い始めて二十年以上経つが、実は、バリ島より東側に行ったことがない。今回、とうとうウォーレス線を越えてきた。

2010年6月14日(月) アロール島

----昼食とリコンファーム----

市場を出ると、K君が「ラーメン食べますか?」と言う。
「ラーメン? ミークアのこと?」
「ラーメン、知ってるでしょ。食べる?」
「いいよ。じゃあ、行きましょう」

K君のオフィスの近くだという食堂に入る。小さくて暗い店内には、K君と同じ制服の人たちが数人座っている。壁のメニューを見ると、特に麺が名物の店というわけでもないようだ。…何なんだ? 要するに昼飯が食いたかったのか? それならそう言えよ。どうにも、このK君にはイライラさせられる。基本的に自己中心的な人物だと思う。相手のことを思いやったり、何を望んでるのか頭を働かせたりということをしない。自分の興味のあることにしか気が向かない。これは少なくとも、ガイドとしては使えない。…相手が、若くて可愛い女の子とかだったら、もうちょっと頑張るかもしれんが。

彼はたぶん、インドネシアの都会っ子なのだ。彼の興味は、新しい物事や流行に向いていて、アロールの土着の文化なんかには露ほども興味がない。どこかに「自分は都会を知っている。アロールに何の価値があるっていうんだ?」というプライドが見え隠れする気がする。ジョグジャ程度で笑止である。こちとら東京暮らしでい。

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1920-1930年代のアロール島。オランダの植民地下にあり、今日の県都カラバヒ付近にオランダ人官吏が住んでいた(アロール県政府観光局)。

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それはさておき、ナシ・イカンと書いてあるナシチャンプルの一種を頼む。魚の切り身の揚げたのが乗っていて、スープもついていて美味い。庶民のご飯て美味しいんだよなあ。8000Rpだったのかな。K君いわく、アロールで食堂をやっているのは100%ジャワ人、だそうだが、話8割くらいに聞いておく。
 
そういえばバリまでの帰りの飛行機のリコンファームをしなきゃいけなかったんだ、と思い出して、携帯電話を探すが、カバンの中にない。あれー?これは、宿に忘れてきたかな。

もう一つ、そういえば、
「あ、そういえば、イブ・イナンが結婚式を見てこいと言ってたけど。いつ行くの?」
「もう、終わった。朝に」
「…ああそう」
結婚式の話題は何だったんだろう。ま、良くあることだ、予定は未定、結婚式行けばって言ってみただけだったのでしょう。

宿へ帰る途中、K君が「寄りたいところがあるんだけどいいかな? ちょっとだけなんだけど」と言うので、どうぞと答える。銀行なのだろうか、小さなオフィスにけっこうな数の客が出入りしている。私は外の日陰に腰掛けて待っていた。この状況で、誰も声をかけてこないのは、バリと違うよなあ。バリだったら、絶対誰かがへらへらと話しかけてきてる。いいかげん眠くなってきた頃、K君が出てきた。けっこうな時間待たされましたぜ?もうさっきから私はK君に対しては不機嫌だから、どうでもいいけど。

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アロール島では第1回アロール・エキスポが開催された2002年以降、手紡ぎ綿糸を用い、自然天然色で染め上げた、いわゆる伝統イカット(絣織り)の復活が始まった(撮影:GBI)。

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宿に帰ると、携帯電話は案の定、机の上に置きっぱなしになっていたらしく、宿のスタッフが保護してくれていました。トランスヌサ航空に電話をかけるが繋がらない。番号が違うっぽい。さもありなん。バリ-日本のリコンファーム用に、日本の旅行代理店が渡してくれたガルーダ航空の電話番号が使えた試しがない。バリですらそうなのだ。

K君がトランスヌサのオフィスまで連れて行ってくれると言うので、お願いする。オフィスはきれいだが、あんまり人はいない。でも待たされる。その間にクーパンのガルーダのオフィスにも電話をし、これは繋がる。が、インドネシア語が良く分からなかったので、k君に押しつけてリコンファームしてもらう。トランスヌサの方も、難なくリコンファームが終わる。リコンファームに関しては、K君に感謝しよう。うん。

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http://www.digibook.net/d/7444ef57a19db87cabbbb1b5fb6a4420/?viewerMode=fullWindow


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2008年11月15日、インドネシア文化宮で始まったバリ島舞踊写真展(2008年11〜2009年2月)オープニングでバリ舞踊のPanyambrama(歓迎の踊り)とMargapati(森の王の踊り)を披露する芳野さん(撮影:GBI)


(注)画像は特に表示がない場合、芳野未央さん撮影


★★★お知らせ★★★

芳野さんも参加するバリ舞踊公演が来る12月12日(日)、東京・神楽坂で行われます。是非ご覧になってください!

ガムラン・バテル+バリ舞踊  サンディア・ムルティ 東京公演 
〜 夢一夜 五雲光芒 〜


2010年12月12日 開演14:30/18:00 (各回30分前開場)
場所:神楽坂セッションハウス
http://www.session-house.net/
前売:¥3000 当日:¥3500 (自由席)
チラシはホームページで見られます。
http://www.geocities.jp/nataraja_bali/
お問合せ・ご予約:gamelan_batel@yahoo.co.jp





http://www.digibook.net/d/5a55edff8018b2752293a9157f6a8524/?viewerMode=fullWindow




http://www.digibook.net/d/9685ad5b91d8923922d129854b604466/?viewerMode=fullWindow

【芳野未央プロフィール】

1988年4月 東京都立小平南高等学校入学。バリ舞踊を学びはじめる      
1992年4月 東京農業大学農学部農学科入学
1996年3月 東京農業大学農学部農学科(昆虫学研究室)卒業
1996年9月 インドネシア政府国費留学生(ダルマシスワ)としてインドネシア芸術大学バリ島デンパサール校

STSI(現ISI)留学。バリ舞踊専攻
1998年3月 帰国
1998年5月 自主公演「ナタラジャ・バリ」第一回開催。以後、平成20年まで9回開催
2000年6月 ガムラングループ・スカールジュプンのバリ島アートフェスティバル公演に参加。
2005年3月 スマトラ沖地震被災地アチェ支援チャリティー「ゴトンロヨン」公演(都内3箇所)
2007年6月 創作ガンブー公演「竹取物語」演出・振付・出演

<講師歴>
1999年 4月〜 読売日本テレビ文化センター 錦糸町校
2005年12月〜 神宮外苑フィットネスクラブ サマディ
2010年 2月〜 東急セミナーBE 渋谷校

<バリでの師匠>
【 】内は習った踊り。

・イブ・チュニック:バトゥアン村、ジョゲピンギタンの踊り手。バリ最高齢の現役ダンサーだったが、2010年、85歳(推定)で天寿を全うする。トペン舞踊の名手まマデ・ジマットの母。【ジョゲピンギタン、バトゥアンのルジャン】
 
・イブ・カスニン:シンガラジャ・サワン村、タルナジャヤの踊り手。タルナジャヤ作者から直接教えを受けた最後の世代。数年前に亡くなる。【クビヤール・レゴン】

・グス・アジ・ブランシンガ:ブランシンガ村、クビヤール・ドゥドゥックの踊り手。70歳を超えてなおダンディな往年の大スター。【クビヤール・ドゥドゥック、バリス】

・グスティ・アユ・ラカ:プリアタン村、オレッグ・タムリリンガンの最初の踊り手。伝説的な踊り手マリオに直接指導を受けた最後の世代。【オレッグ・タムリリンガン】

・アナック・アグン・ラカ:プリアタン村、プリアタンスタイルの継承者。グヌンサリ、ティルタサリ、両舞踊楽団の創始者マンダラ翁の娘さん。【プリアタンスタイルのレゴン各種、ペンデット、プスパメカール】
 
・イブ・アユ・コルミ:スバリ村、ジョゲピンギタンの踊り手。スバリスタイルのジョゲピンギタン唯一の継承者。【ジョゲピンギタン】

・アナック・アグン・アノム:ウブド村、バリスの名手。スマララティ舞踊楽団のリーダーでもある。【バリス】
 
・イブ・アユ:ウブド村、オレッグとタルナジャヤの名手。アノムの妻であり、グスティ・アユ・ラカの姪。【タルナジャヤ、レゴン】

・イブ・スカール:バトゥアン村、イブ・チュニックの孫。バトゥアンのお家芸ガンブーをはじめ、男踊りもこなすマルチプレイヤー。【ガンブー、ウィラナタ、など】

・ニョマン・ブディアルト:バトゥアン村、イブ・チュニックの孫。マデ・ジマットの長男で最強のジャウック・ダンサー。【トペン・ニッコー、ジャウック】

・チョコルド・ルクミニ・プトゥリ:シンガパドゥ村、オレッグを得意とする。最近ではアートフェスティバルのコンペティションのための指導を数多く手がけ、多くを入賞に導いている。【プスパワルナ、チャンドラワシ、マヌックラワ、ユダパティ、ダヌールダラ、ウィラナタなど】

・イブ・アリニ:デンパサール市、レゴンの名手。【ドゥマンミリン】

・イブ・スシラ:デンパサール市、チョンドンの名手。【レゴン・ラッサム】

・イブ・パルティニ:デンパサール市、古典的男性舞踊の名手。【パンジ・スミラン】

・イブ・チャンドリ:シンガパドゥ村、歌謡劇アルジョのカリスマ。バリ歌謡といえば、第一にこの人の名前が挙がる。【アルジョ】
 
・バパ・スクルタ:パヤンガン村、影絵劇ワヤンの演者(ダラン)。トペン舞踊も踊る。【歌】
 
・イブ・アグン:タティアピ村、ジャンゲールの継承者。古いスタイルのジャンゲールの男女両方の歌と振り付けを教えられる。インドネシア空手シラットの使い手でもある。【ジャンゲール】

【関連ブログ】

芳野未央のアロール島紀行「ウォーレス線を越えろ!」Ke Pulau Alor, NTT〜(No.14)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/201011/article_17.html
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/201011/article_18.html
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/201011/article_19.html
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/201011/article_20.html
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/201011/article_21.html
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/201011/article_22.html
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/201011/article_23.html
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/201011/article_24.html
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/201011/article_25.html
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/201011/article_26.html
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/201011/article_27.html
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/201011/article_28.html
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/201011/article_29.html
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/201011/article_30.html


『LIKE・A・BALIJINウブドの達人展』スタート(Pameran Foto Bali)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200811/article_19.html

【芳野さんのWebsite】

ナタラジャ・バリ(Nataraja Bali)ホームページ
http://www.geocities.jp/nataraja_bali/

ナタラジャ・バリのバリ島の本
http://blog.livedoor.jp/balibooks/

【アロール島関連ブログ】
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/theme/c88587e2d0.html


【東ヌサトゥンガラ州関連ブログ】
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/theme/46f57db1d2.html


【アロール関連動画】


東ヌサトゥンガラ州アロール県のモコ博物館 Musium Moko, Alor, NTT
http://www.youtube.com/watch?v=3yuUq-cA_0U


東ヌサトゥンガラ州アロール島の海 The Sea of Alor Island
http://www.youtube.com/watch?v=u00GOBDWVfE


NTT州アロール島のレゴレゴ・ダンスの今昔 Lego-Lego Dance of Alor Regency, NTT
http://www.youtube.com/watch?v=o5PvQtRPtKs


東ヌサトゥンガラ州フローレス&アロール島 Promotion Video Flores & Alor Islands
http://www.youtube.com/watch?v=M0EZqVYBr2Y


東ヌサトゥンガラ州プロモーションビデオ Promotion Video NTT Province Indonesia
http://www.youtube.com/watch?v=GuP7Qg1801g


【ササンドゥ関連ブログ】
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/theme/7a2ebd273c.html

【ササンドゥ関連動画】


バリ芸術祭でザカリアス・ンダオンさんがササンドゥ演奏(1) PKB ke-32(撮影:芳野未央)
http://www.youtube.com/watch?v=itE5oQ1MA9I


バリ芸術祭でザカリアス・ンダオンさんがササンドゥ演奏(2) PKB ke-32(撮影:芳野未央)
http://www.youtube.com/watch?v=rz6Wc__3DJ0

【ササンドゥ関連動画一覧】
http://www.youtube.com/results?search_query=%E3%82%B5%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%A5&aq=f

アロール県政府公式ホームページ(インドネシア語)
http://www.alorkab.go.id/

NTT(東ヌサトゥンガラ)州政府公式ホームページ(インドネシア語)
http://www.nttprov.go.id/

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{%チョウチョwebry%}インドネシア文化宮(GBI)は、2002年〜2008年の7年間にわたって、NTT(東ヌサトゥンガラ)州アロール県(Kab.Alor)との共催で、文化活動を軸とした島興しプロジェクトである大文化祭『エキスポ・アロール』を実施しました。“海のシャングリラ”と言っても過言ではない、美しい海底サンゴの園を有するアロール島とパンタール島、そしてブアヤ島、テルナテ島、プラ島、ケパ島などから成るアロール県。 ...続きを見る
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芳野未央のアロール島紀行「ウォーレス線を越えろ!」(最終回) Ke Pulau Alor,NTT
{%チョウチョwebry%}インドネシア文化宮(GBI)は、2002年〜2008年の7年間にわたって、NTT(東ヌサトゥンガラ)州アロール県(Kab.Alor)との共催で、文化活動を軸とした島興しプロジェクトである大文化祭『エキスポ・アロール』を実施しました。“海のシャングリラ”と言っても過言ではない、美しい海底サンゴの園を有するアロール島とパンタール島、そしてブアヤ島、テルナテ島、プラ島、ケパ島などから成るアロール県。 ...続きを見る
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