海外残留旧日本兵遺骸と菅直人首相 ・2 Prajurit Dai Nippon & PM Kan

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菅直人政権の誕生を海外で瞑る旧日本軍将兵・軍属らは、戦後65年間も果たせなかった祖国帰還を期して、興奮冷めやらぬ思いで見つめているに違いない。と言うのも、菅直人現内閣総理大臣は、野党時代の4年前、靖国神社参拝問題で隣国との間に摩擦を生んだ小泉純一郎政権に対して、戦没者遺骨収集に関して質問主意書を二度ほど提出している。国会議員として、正面から政府に対して“未帰還兵”問題を問うた、その姿勢がかつての戦場で瞑る将兵・軍属らの“英霊”にどれほど感動を持って迎えられたことだろうか。

厚生労働省のデータによれば、海外で戦没した概数は約240万人。その内、約126万柱は祖国送還済み。残りは約114万柱。この内約30万柱が海没。また、相手国の事情で収集困難な遺骨が約23万柱。つまり、収集可能な遺骨は推計で約61万柱とされる。

問題は、その実現だが、国家が発動し、国家が召集し、そして戦地に斃れた“国民”を、65年以上の長きにわたって放置してきた罪、そして責任は重い。NATO(No Action, Talk Only)であってはならない。今、国家のトップに登りつめた菅首相の“国家と国民”観が問われようとしている。

シベリア特措法の成立(2010年6月16日)は、政権交代のたまもの、との報道もあるが、そもそも、戦後一度として、かつての戦場をくまなく訪れることなく、遺骸を赤道直下の密林、湿地帯などに、戦死した状態で放置し続けてきた“国家”とは何者ぞ。遅きにしするが、今こそ国家が、戦争の終結を公式に伝え、遺骸を捜索に来ました、との姿勢を示すべきでは。そうでなければ、“御霊”は靖国にさえ戻れない。

そこで、四年前の菅直人衆議院議員の再質問主意書、そして政府の再答弁書を再度検証し、今後の同問題推移の参考資料としたい。


西部ニューギニア・パプア州のビアク島。“玉砕の島”のシンボルである西洞窟。日本政府が建てた慰霊碑のすぐ脇。地表を少し掘ると、日本兵の頭蓋骨が。(岩手県奥州市のNPO『太平洋戦史館』提供)。

遺骨収集班によって集められた遺骨は、焼骨され、やがて祖国・日本へ帰還する。ビアク島で。(岩手県奥州市のNPO『太平洋戦史館』提供)。


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2006(平成18)年3月27日提出の質問主意書第183号の答弁に満足しなかった菅直人衆議院議員は、同年6月12日、内閣衆質164質問第328号を通じて、「戦没者遺骨収集に関する再質問主意書」を提出。これに対して小泉純一郎内閣総理大臣は、同年6月20日、河野洋平衆議院議長に対して答弁書を送付。以下は、質問そして答弁の抜粋。

質問
戦没者遺骨収集に関する再質問主意書

本年三月二十七日に提出した戦没者遺骨収集に関する質問主意書(質問第一八三号)に対する答弁書(内閣衆質一六四第一八三号)を受領した。しかし、答弁が十分でない点やさらに追加で確認したいことがあるため、次の事項について再質問する。

一 前回の質問で、「当然国家の責任」と平成十七年三月九日の衆議院厚生労働委員会での当時の厚生労働大臣の答弁について政府として具体的にどのようにその責任を果たすのかという点、現在の遺骨回収は、「遺骨のある場所の情報が寄せられれば収集する」と厚生労働省が言っていることについて、政府として積極的に情報を収集し、捜索・回収する体制を整えるべきではないかという点等について政府の考えを質した。
 答弁書では、厚生労働省においては、昭和二十七年六月十六日の衆議院海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会における海外諸地域等に残存する戦没者遺骨の収集及び送還等に関する決議を踏まえるとともに、厚生労働省設置法(平成十一年法律第九十七号)及び「米国管理地域における戦没者の遺骨の送還慰霊等に関する件」(昭和二十七年十月二十三日閣議了解)(以下「閣議了解等」という。)に基づき、戦没者の遺骨収集を行ってきており、これまでに約三十一万柱の戦没者の遺骨を収集してきた。また、従来の戦没者の遺骨収集の取組に加えて、平成十八年度からは、新たにいわゆる南方地域について民間団体等の協力を得て派遣団を編成する等により、海外からいまだ送還されていない戦没者の遺骨の集中的な情報収集事業を実施するなど、戦没者の遺骨収集に積極的に取り組むところである、との答弁だった。よって戦没者遺骨収集に関し以下質問する。
 1 未だに百万柱以上もの戦没者の遺骨が未収集の現状において、「当然国家の責任」との大臣の発言を踏まえ、政府は期限を区切らず未収集の遺骨を全て回収するために今後一層捜索と収容を行うと理解してよいか。答弁を求める。

答弁
一の1について

厚生労働省においては、海外からいまだ送還されていない戦没者の遺骨に関する集中的な情報収集の実施状況等を踏まえながら、今後とも可能な限り遺骨を収集してまいりたい。

質問
2 終戦から長い年月が経っており遺骨収集活動が困難な状況もある中、民間団体等の協力を得ることや厚生労働省社会・援護局援護企画課外事室の現状の体制だけでは充分でないと考えるが、政府が直接捜索・回収の実働組織の編成について何かしらの形を検討するべきではないか。政府の見解を求める。

答弁
一の2について

厚生労働省においては、衆議院議員菅直人君提出戦没者遺骨収集に関する質問に対する答弁書(平成十八年四月四日内閣衆質一六四第一八三号。以下「先の答弁書」という。)の一の3及び4についてでお答えしたとおり、社会・援護局援護企画課外事室を中心に戦没者の遺骨収集を行うための必要な体制をとっているところであり、現時点においては、引き続き現行の体制により戦没者の遺骨収集を行ってまいりたい。

質問
3 今まで六十年間政府が戦没者の遺骨収集を法案化しなかった理由について、答弁書では閣議了解等に基づき戦没者の遺骨収集を行ってきたためとしているが、それ以外の理由はあるのか。あるのなら、その理由は何か。答弁を求める。

答弁
一の3について

厚生労働省においては、先の答弁書の一の3及び4についてでお答えしたとおり、厚生労働省設置法(平成十一年法律第九十七号)及び「米国管理地域における戦没者の遺骨の送還慰霊等に関する件」(昭和二十七年十月二十三日閣議了解)に基づいて、社会・援護局援護企画課外事室を中心に戦没者の遺骨の収集及び送還等をこれまでも着実に行ってきたところであり、「戦没者の遺骨収集を法案化」することについては、その必要はないと考えていることから、「それ以外の理由」について、具体的に検討しておらず、お答えすることは困難である。

質問
4 戦没者の遺骨収集について現状の閣議了解等のみで未送還遺骨の責任ある収集ができるとは思えない。法案化によって責任ある遺骨収集が明確になると考えるが、政府の見解を求める。

答弁
一の4について

御指摘の「責任ある遺骨収集」の意味が明らかでないため、お答えすることは困難である。

質問
二 前回の質問で、国内では戦没者遺骨捜索に自衛隊は関与していないが、戦没者遺骨収集の輸送支援以外に自衛隊が遺骨収集に関して他に協力できることがあるかという点について質問し、答弁書では、自衛隊においても、厚生労働省の協力依頼に基づき、任務遂行に支障を生じない範囲で、硫黄島及び沖縄における戦没者の遺骨収集について、輸送事業の受託のほか、戦没者の遺骨収集に伴い発見される不発弾の処理等の協力を実施しているところである、との答弁だった。よって以下質問する。
1 自衛隊が厚生労働省の協力依頼に基づき、任務遂行に支障を生じない範囲で、輸送事業及び不発弾処理を行っているが、直接、戦没者の遺骨捜索・収集作業に協力できない理由はあるか。具体的に答弁を求める。

答弁
二の1について

戦没者の遺骨捜索・収集作業については、厚生労働省の所掌事務とされており、防衛庁の所掌事務とはされていないところである。

質問
2 国外で戦没者の遺骨の近くに不発弾があった場合、不発弾処理の専門家に不発弾除去を依頼するとのことだが、不発弾処理の専門家とは具体的には何か。答弁を求める。

答弁
二の2について

お尋ねの「不発弾処理の専門家」とは、例えば地雷処理、不発弾処理の実績のある特定非営利活動法人である。

質問
3 今までに「不発弾が危険で遺骨収集ができない」とされた場所はあるのか。答弁を求める。また、答弁書では不発弾処理の専門家に不発弾除去を依頼するなどにより、可能な限り行っているところであるということだが、以前は「不発弾が危険で遺骨収集ができない」とされた場所を含め、現在の技術等を踏まえ遺骨収集を実行するものと理解してよいか。答弁を求める。

答弁
二の3について
今までに「不発弾が危険で遺骨収集ができない」とされた場所はない。
厚生労働省においては、現在の技術、現地の状況等を踏まえながら、可能な限り戦没者の遺骨収集を行っているところである。


【参考動画】


戦争の記憶 東部インドネシアで聞いた日本の歌 Lagu Dai Nippon di Indonesia
http://www.youtube.com/watch?v=9eCARwaNDb4


三橋國民64年目の夏(3) 鎮魂のニューギニア Kunitami Mitsuhashi & New Guniea
http://www.youtube.com/watch?v=7lO85-TUa1Q


三橋國民64年目の夏(2) 鎮魂のニューギニア Kunitami Mitsuhashi & New Guniea
http://www.youtube.com/watch?v=lKQbV2ZH_QQ


三橋國民64年目の夏(1) 鎮魂のニューギニア Kunitami Mitsuhashi & New Guniea
http://www.youtube.com/watch?v=01zU6St9Dvk


三橋國民64年目の夏 鎮魂のニューギニア Kunitami Mitsuhashi & New Guniea
http://www.youtube.com/watch?v=AKtNFh-u-ac


東西ニューギニアから計702柱の旧日本兵の遺骨が祖国へ帰還 Japanese soldiers
http://www.youtube.com/watch?v=hHuajn7Yxv0


ニューギニア未帰還兵展--私たちは帰りたい。祖国日本へ7 Japanese Soldier
http://www.youtube.com/watch?v=lfvQrCBQq4Y


玉砕のビアク島。故陸軍主計中尉浅野寬氏遺品(日記)
http://www.youtube.com/watch?v=Q4amy4h5ES8


Pameran Prajurit Jepang yg tak sempat dipulangkan ke tanah air dari Papua
http://www.youtube.com/watch?v=UdpgJt_Sa3o


ニューギニア未帰還兵展---私たちは帰りたい。祖国日本へ Japanese Soldier
http://www.youtube.com/watch?v=Qr7T6I-FZeU


【参考ブログ】

海外残留旧日本兵遺骸と菅直人首相Prajurit Dai Nippon & PM Naoto Kan
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/201006/article_18.html

大東亜戦争関連ブログ
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/theme/43f9afaef5.html

パプア州関連ブログ
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/theme/42c3391253.html

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