マカッサル映画鑑賞&マカッサル文学講演(Film & Sastra Makassar)

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インドネシア初の“市民ジャーナリズム”として、2006年7月に発足した“普通の市民”による投稿記事サイト「パニンクル(Panyingkul!:ブギス&マカッサル語で“交差点”の意味)」。インドネシア文化宮(GBI)は、このサイト立ち上げの原動力を演じたリリ・ユリアンティ(Lily Yulianti)さんをお招きして、「パニンクルの現状とその未来」をテーマに講演会を開催します。
また同時に、短編映画ですが、女史の短編フィクション小説『Makkunrai(ブギス語で女性の意味)』を原作としたモノローグ(一人芝居)、さらにパニンクルに投稿され大反響を呼んだアアン・マンシュール氏執筆の『アバンダの運命のボール(Bola Nasib Abanda)』の短編ドキュメンタリー映画も上映します。
間もなく2歳の誕生日を迎える「パニンクル」には、現在およそ50名のレギュラーライターがいて、毎日一本の新特集記事が掲載されています。非レギュラーを含めると、市民記者の数は約200名とのことです。ジャーナリズムの基礎を勉強するため、毎週、マカッサル市内で、執筆トレーニング講座も開催されています。市民記者の職業は様々で、高校生、大学生、高校教師、大学講師、NGOメンバー、作家、フリーランス・ジャーナリスト、研究者、建築家、銀行員、公務員、国際機関勤務者、牧師など多岐に渡っています。その多くは、マカッサル生まれのブギス人やマカッサル人ですが、かつてマカッサルに暮らしたことのある他民族も少なくないとのことです。また、発信地も、マカッサルに限定されずに、カリマンタン島のバリクパパンや、バタム島、そして首都ジャカルタやスラバヤなどからも投稿があるそうです。さらに、海外からの投稿も増えてきているそうです。



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著書を手にするリリさん(インドネシア文化宮にて)
リリさんは、2005年12月17日、GBIで開催中だった『スラウェシ島絵画展』に関連して行われたスラウェシ理解講座の一つである「4時間で学ぶブギス語」の講師を務めたこともあります。GBIでは、これまでに、スラウェシ島関連の文化イベントとして、2005年9月17日~2006年2月24日に【スラウェシ島絵画展】(“スラウェシの心”をテーマに、同島の14名の画家のグループ展)や、2006年2月25日~2006年4月25日には【スラウェシ島報道写真展】(地元最有力紙「Fajar」写真記者の作品)を実施、また2007年7月7日~9月29日、トラジャ人画家マイク・トゥルーシー氏の個展【トラジャ絵画展】も行いました。


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Makassar di Panyingkul!』インドネシア語。定価\2,500#。これまでにパニンクルに投稿された記事の中から選ばれた55の記事。


東部インドネシアの中心的大都市でありながら、これまで文学やアート、映画などの文化などの発信面で遅れをとったマカッサル。確かに、マカッサルはこれまで東部インドネシアの“商都”としての仮面をかぶり続けていた。それはメディアにも見て取れる。紙面は政治とビジネスに独占され、文化面は見るに忍びない状況だった。
しかし、ここ数年、マカッサル並びに周辺地域を故郷とする若者(と元若者)たちを中心に、“文化のマッカサル”を打ち出そうとする動きが加速している。その一つが「パニンクル(Panyingkul!)」であり、そして「マカッサルからの文学(Sastra dari Makassar(SDM)」だ。SDMは、Websiteを立ち上げ、インターネットを駆使した“文化興し”を試みている。2008年3月24日には、首都ジャカルタの文化施設TIM(タマン・イスマイル・マルズキ)で、マカッサル出身者が著した二冊の書籍のお披露目、そしてディスカッションが行われた。一冊は、リリ・ユリアンティ(Lily Yulianti Farid)さんが書いた『Makkunrai dan 10 Kisah Perempuan Lainnya』、そしてもう一冊は、若手詩人のアアン・マンシュール(M.Aan Manshyur)さんの詩集『Aku Hendak Pindah Rumah』。

マカッサルからの文学サイトhttp://sastradarimakassar.org/




【第79期インドネシア理解講座】

日時】2008年5月10日(土)14:00~17:00
内容】モノローグ公演記録映画『Makkunrai』&短編ドキュメンタリー映画『アバンダの運命のボール』そして短編ドキュメンタリー映画『ブギスの高額結納金』のDVD上映会並びにリリ・ユリアンティ女史による講演「インドネシア初の市民ジャーナリズム・パニンクルの現状と未来」
場所】インドネシア文化宮(GBI)。JR高田馬場駅より徒歩約6分。富士大学図書館前正門向かい。
参加費】無料(お菓子や飲み物のカンパは大歓迎です)
申し込み】氏名、住所、電話番号(携帯を含む)を明記してメールにて(okawa@mxg.mesh.ne.jp) 尚、スペースに限りがありますので、必ず事前予約をお願い致します。
備考】開催中の日イ友好年認定事業『ヌサンタラ・テキスタイル展』も併せてお楽しみ下さい。また美味しいトラジャコーヒーも堪能してください。また、リリさん執筆の、『Makkunrai』(マックンライとその他10人の女性のストーリー)も、当日GBIで販売をスタートします。言語はインドネシア語で価格は\1,000#です。




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Makkunrai』はモノローグとしてインドネシア国内数ヶ所で公演された。演じるのはルナ・ヴィディア(Luna Vidya)さん。公演記録映画。17分。インドネシア語。物語は、社会的地位を守るために、孫の意思とは別に結婚を強いる祖父に対する孫娘の抵抗。
(Lily Yuliantiさん提供)





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アバンダの運命のボール(Bola Nasib Abanda)』主人公のアバンダ君。ハンセン病を患う家族の一員であるアバンダは、生後一ヶ月で物乞いに。彼の夢はサッカー選手。2005年、アマンダがゴールキーパーとして所属するMFS(マッカサル・サッカー学校)は国内大会で優勝、そしてフランスのリヨンで開催された世界大会に出場した。短編ドキュメンタリー映画の原題は「Jangan Ada Kusta di Antara Kita(僕らの間にハンセン病があってはならない)」。17分。インドネシア語。監督はアアン・マンシュール(M Aan Manshur)さん。カメラはヌルリナ(Nurlina)さん、プロデューサーはトニー・トゥリマルサント(Tonny Trimarsanto)さん。
(Panyingkul!提供)




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Uang Naik(ブギスの高額結納金)』。28分。インドネシア語。監督はウルフィアニ(Ulfiani)さん、カメラはムハマッドイサック(Muhammad Ishak)さん、プロデューサーはトニー・トゥリマルサント(Tonny Trimarsanto)さん。







【リリー・ユリアンティさんのプロフィール】


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Lily Yulianti。1971年7月16日、南スラウェシ州マカッサル生まれ。1994年、国立ハサヌディン大学農学部を首席で卒業。2003年、オーストラリアのメルボルン大学から、専攻のジェンダーと開発で修士号。1996~2000:インドネシアの最有力紙『KOMPAS』記者。2001~2004:豪ABC放送ラジオ・オーストラリアでプロデューサー。2004~現在:NHKラジオ・ジャパンのインドネシア語放送アナウンサー兼プロデューサー。2006~現在:インドネシア初の市民ジャーナリズムサイト『Panyingkul!』の共同設立者。著書:『Makassar di Panyingkul!』(2007年7月、編者)、『Makkunrai』(2008年3月)



【第79期インドネシア理解講座の光景】


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【参考ブログ】


パニンクル
http://www.panyingkul.com/

リリ・ユリアンティさん執筆のパニンクル紹介記事が、以下のサイトの日本語で掲載されています。
インドネシアでの市民ジャーナリズム
http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000005183

また『パニンクル』に掲載された幾つかの記事が日本語訳され、日本貿易振興機構アジア経済研究所の月刊誌『アジ研ワールド・トレンド』に2007年3月号から「スラウェシ市民通信」というタイトルで毎月連載されています。その内、「アバンダの運命のボール」は、以下のサイトで読むことができます。

第1回 アバンダの運命のボール アアン・マンシュール
http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/W_trend/pdf/2007_03/wt_sulawesi_02.pdf

原文は以下のパニンクルのサイトに掲載されています。
「Bola Nasib Abanda」(By M. Aan Mansyur)
http://www.panyingkul.com/view.php?id=24&jenis=karebosi

アジ研ワールド・トレンド
http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/W_trend/

スラウェシ市民通信連載にあたって 松井和久
http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/W_trend/pdf/2007_03/wt_sulawesi_01.pdf

インドネシア文化宮(GBI)活動記録
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200610/article_2.html

インドネシア文化宮活動記録(インドネシア語)Kegiatan GBI
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200610/article_4.html

トラジャ文化&トラジャ語を学ぶインドネシア理解講座(Budaya & Bahasa Toraja)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200707/article_1.html

トラジャ人画家マイク・トゥルーシー個展(Pameran Tunggal Mike Turusy)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200706/article_10.html

トラジャ人画家マイク・トゥルーシー個展のお知らせ(Pameran Mike Turusy)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200705/article_2.html

インドネシア文化宮2007年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2007)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200712/article_2.html

インドネシア文化宮2006年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2006)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200612/article_8.html


【インドネシア文化宮(GBI)】東京都新宿区下落合1-6-8












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この記事へのコメント

G.Iwata
2008年05月11日 17:49
昨日は、どうもありがとうございました。アップロードされた写真も拝見しました。みなさんと議論ができてとても勉強になると同時に、刺激を受けました。また、大川さんとも久しぶりにお話ができてよかったです。マカッサルに渡航するときはまた連絡させていただきます。

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