『アロールの糸・色彩の世界展』 天然染色の世界 Pameran Warna-Warni Alor

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その昔、人間は樹皮繊維で衣服を作り、やがて綿を紡ぐことで綿糸を生んだ。そして、自然界の中から幾種もの天然色の素材を見つけた。手紡ぎ綿糸と植物染色、いわゆる草木染は、世界各地で独特なテキスタイル文化を発展させた。

染色原料。左はムンクドゥの皮と根を煮詰めたもの。右はインド藍

インドネシアは、自然染色の分野で世界一の多様性を誇る。正確に言えば、かつては誇っていた。“近代化”は、伝統的な染色文化をことごとく駆逐化していった。それはジャワ島のバティック、そしてカリマンタン島、スラウェシ島、バリ島、そしてNTT(東ヌサトゥンガラ州)を代表とするインドネシア東部地域のイカット、ソンケット文化も例外ではなかった。

紡績糸と化学染料の浸透は、国の近代化、工業化と無縁ではない。地域社会が必要とするだけの量を生産していた綿花畑は、次第に荒れ地に、あるいは密林に埋まっていった。同時に、簡易で色落ちしにくい化学染料は、瞬く間に伝統的な染色文化を退けた。時代の変化に逆行は無力だった。今では、イカット生産地の多くで、どの植物からどのような色彩が得られるのかを知らない世代が織り手となり、ごく普通に紡績糸と化学染料を用いている。

日本では、例えば沖縄などが代表例だろうが、藍染は無形文化財に指定され、そればかりか人間国宝に認定された染色家さえいる。筆者は、その昔、沖縄県大宜味村で芭蕉布の工房を訪ねたことがあるが、その光景とプロセスは、アロール島のそれと寸分も違わないものだった。誤解を懼れずに言えば、アロール島には、そしてティモール島などには、幾百人もの“インドネシアの人間国宝”がいることになる。

アロール県の“人間国宝候補”たちが自然色で染め上げた111種の綿糸。『アロールの糸・色彩の世界展』は、色彩の生誕を鮮やかに再現する。


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展示会場の光景

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ガラガラ(Gala-gala)の葉。インドネシア語ではTuri。学名はSesbania grandiflora。日本語ではセスバニア・グランディフローラ。幹の皮からオレンジ色やピンクなどが生まれ、葉からは濃淡各種のオリーブグリーン色が得られる。、

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ケタパン(Ketapang)の葉。インドネシア語ではKetapang。学名はTerminalia catappa。日本語ではモモタマナ (桃玉名もしくは桃玉菜)。葉からは、濃淡各種の緑色が得られる。

【アロールの天然染料の主素材】

自然色を生み出す主な素材は、以下のようなものが報告されているが、近い将来染色方法に関してパテント申請を予定しているとのことで、詳細な“サジ加減”や“添加物”については不明だ。

赤系、茶系の色は: 
ムンクドゥ(Akar Mengkudu)の根、生命樹の皮、赤木(ホン)、ラド(Lado)の皮

藍色、ブルー系は: 
ニラ(Nila)の葉

緑系、黄緑系は : 
ケタパン(Ketapang)の葉やガラガラ(Gala-Gala)の葉

黄色、黄金色は : 
ウコン(Kunyit)や柑橘類(Jeruk Purut)

黒色、灰色、紫は: 
ニラ(Nila)の葉(複数回の染色)

オリーブグリーン系色は: 
クパパ(Kpapa)の皮やパパイヤ(Papaya)の葉

オレンジ系やピンク系は:
ブリンビン(Belimbing)の葉、チェルメレック(Cermelek)の葉や実

深紅や明るいオレンジ系は:
マンレイン(Manleing)の根、野生マンゴ(Mangga Hutan)の皮



アロール島の自然色染め糸111種・Benang Warna-Warni Alamiah dari Alor
http://youtu.be/mN4JU2q4pGg

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名称】 『アロールの糸・色彩の世界展』 Pameran Warna-Warni Alor

主催】インドネシア文化宮&東ヌサトゥンガラ州アロール県&じゃかるた新聞
 
期間】 2012年7月14日(土)~10月6日(土)11:00-17:45。日曜・祝日は閉館。また以下の土曜日も閉館となります。2012年7月21日、8月4日&11日&15日、9月1日&16日。さらに、激しい風雨を伴う悪天候、さらに取材活動に伴って事前通告無しに、閉めることもありますので、予めご了承お願い致します。

展示品】 111種の自然色染めの原糸&およそ100点のイカット&ソンケット

場所】 インドネシア文化宮(GBI) JR高田馬場駅より徒歩約6分。東京富士大学高田記念館正門向かい側のビル1階(添付地図参照)東京都新宿区下落合1-6-8(TEL:03-5331-3310)

入場】 無料

備考】 アロール県政府が送ってくる予定の、染色素材も到着次第、展示する予定です。


インドネシア文化宮への道順

JR高田馬場駅より徒歩約6分。さかえ通りを進み、神田川の橋を越え、新宿区立図書館方向へ。東京富士大学高田記念館正門の向かい側のビル1F(東京都新宿区下落合1-6-8 TEL:03-5331-3310)




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アロール島のアロール・ブサール村で行われた、新たな色の創作光景。

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http://www.digibook.net/d/219483ffa018b03d271cb9257b69c436/?viewerMode=fullWindow

【関連ブログ】

アロール関連ブログ
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/theme/c88587e2d0.html

【関連動画】


東ヌサトゥンガラ州アロール島の海 The Sea of Alor Island
http://youtu.be/u00GOBDWVfE


アロールの海 Alor, The Heaven on Earth
http://youtu.be/UShkDYmpQLg


アロール島タクパラ村のレゴレゴダンス2002-2008 Lego-lego Dance Alor Island
http://youtu.be/oAcxbwu1kRQ


NTT州アロール島のレゴレゴ・ダンスの今昔 Lego-Lego Dance of Alor Regency, NTT
http://youtu.be/o5PvQtRPtKs


東ヌサトゥンガラ州アロール県の伝統舞踊レゴレゴ・ダンス
http://youtu.be/HVX0ILqRrQs


東ヌサトゥンガラ州フローレス&アロール島 Promotion Video Flores & Alor Islands
http://youtu.be/M0EZqVYBr2Y


アロール島のカラバヒから州都クーパンへのフライト Dari Kalabahi ke Kupang
http://youtu.be/VWiqSFg3j14


東ヌサトゥンガラ州アロール県のモコ博物館 Musium Moko, Alor, NTT
http://youtu.be/3yuUq-cA_0U


東ヌサトゥンガラ州プロモーションビデオ Promotion Video NTT Province Indonesia
http://youtu.be/GuP7Qg1801g

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