ムラピ山噴火と観光客激減のボロブドゥール遺跡 G.Merapi & Candi Borobudur

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“火の山”ムラピ山(Gunung Merapi)の噴火から間もなく4ヵ月。古都ジョグジャカルタ北西に位置するボロブドゥール遺跡(Candi Borobudur)。年間100万を超える観光客が訪れるユネスコ世界遺産指定の大石造。しかし、ムラピ山噴火に伴う降灰によって、およそ2ヵ月間の閉鎖を余儀なくされた。

2010年12月20日より再公開が始まったが、客足は噴火以前と比べて激減している。それは、同遺跡公園内で営業する土産店や売り子たちに多大な影響を与えている。そのため、売り子たちの観光客へのアプローチも執拗さを増している。止むを得ない現象かもしれない。観光客に依存した生活の歯車が、軋みをあげている。日本語で書かれた遺跡解説冊子も、売り子によっては15万ルピア(約1,500円)から5万ルピアの、無秩序価格となっている。


4男2女の父、ジョノさん。夢は小さな雑貨店を持つこと

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遺跡内で23年間にわたって、歩行で小物販売を続けている愛称ジョノのムフスラメット(Muhslamet)さん(64歳)は、噴火後、観光客数はおおよそ30-40%減ったと推測する。「噴火以前、日曜や祝日には、上に登る通路が大渋滞を起こすまでに人で埋まっていたのに、今やご覧の通り、観光客激減の遺跡に変ってしまいました」とジョノさん。

遺跡管理会社の職員によれば、噴火後、大勢のボランティアがやってきて、大清掃作戦が展開された。その結果、今では、降灰被害の跡を垣間見ることができないほど、以前の綺麗な遺跡となった。しかし、現在でも清掃作業は続けられている。回廊の石畳やレリーフの隙間に入り込んだ火山灰の撤去作業は、今後数ヵ月間続く模様。遺跡警備事務所の脇には、これまでに回収された火山灰が入った数百の袋が並ぶ。固まった灰はまるでセメントのようだ。


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100年以上にわたって遺跡を見続けてきたケナリの大木

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8歳の時、初めて頂上まで登って以来、何百回も“登頂”した経験を持つジョノさん。「生活はもう限界です。妻もここで食べ物や飲み物、そして帽子などのお土産品を売っていますが、ここ数週間、売り上げゼロの日がほとんどです。噴火以前は、それでも妻と合わせて1日当たり平均2万ルピア(およそ200円)の売り上げがあったんだが」とジョノさん。

ジョノさんによれば、遺跡内で食べ物や土産品を販売する売り子はおよそ700名。彼らは、出身村や業種によって、20を数える組織に各々属している。ジョノさんの場合、出身村であるクジョン(Kujon)組合に属し、遺跡公園会社に月額で一人当たり1万ルピアのショバ代の支払い義務があるという。「観光客が激減した今では、そのお金の支払いができない状態です」とジョノさん。「このままの状況が続くとしたら、真剣に転職を考えなくてはならないかも。かと言って、小さな事業を起こす資金もないし、誰かの田圃を耕す臨時の仕事ぐらいしかないかな」。


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ムラピ山噴火は、周辺部の多くの住民生活を真綿で絞めるように、ジワジワと苦しめている。遺跡とジョグジャカルタとの間の国道沿い、マゲラン県サラム郡ジュモヨ村(Desa Jumoyo)付近では、土石流に襲われた住居が立ち並んでいる。重機を動員した復旧作業が続けられているが、いつ再び土石流が発生するか分からない状況が依然解消されていない。

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回収された遺跡に降り積もった火山灰
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取材は2011年2月18日

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