ニケンさんが描くジャワ島昔の子供の遊び Dolanan Anak di masa lampau

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噴火被害が出ているメラピ山の近く、インドネシア・ジャワ島の古都ジョグジャカルタに住むニケン・ララサティ(Niken Larasati)さん。1971年12月28日生まれの女性画家だ。1992年、ジョグジャカルタにある芸術学校(SMSR=Sekolah Menengah Seni Rupa)絵画科を卒業後、同地にあるデザイン学校(MSD=Modern School of Design)の写真・グラフィックデザイン科に学んだ。学生時代から、主にジョグジャカルタを舞台に、個展や集合展の実績を持つ。

ニケンさんの絵画には共通したテーマが流れている。それは、子供たちの遊び(Dolanan Anak)。「色々な種類の活動、そして多忙、さらには技術革新、そして都市化。それらに伴って、その昔、子供たちが普通に楽しんでいた遊びの数々が消滅する運命を迎えた。私は、絵画を通じて、あの、私が思うのに、子供にとって黄金時代とも言える、懐かしい遊びの世界を再現したいと願うのです」とニケンさん。


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その昔、ジャワのどこにでもあった、子供たちの普通の遊び。しかし、テレビが各家庭に入り、コンピュータゲーム全盛の今日、その社会的機能はますます消滅の道をたどっている。「昔、子供たちの遊びは、社会の絆や相互扶助などといった、ジャワの社会ではごくごく当たり前だった意味と意義とを持ち合わせていました。もっと言えば、昔の子供たちの遊びの中には、誠実さや、正直、寛容、責任感などといった、立派な大人になるための必要条件を学ぶ要素が溢れていました。私は、子供の遊びの中にあった、良き精神文化を、絵画の中で再現してみたかったのです」と。

日本の子供たちの遊びも、経済成長に伴う社会変化と共に、大きな変貌を経てきた。かつて、家の庭や路地で、そして野原や田圃などで、伝統的な遊びを継承してきた子供たち。しかし、やがてテレビが普及し、プラスチック製の玩具が主流となり、そしてやがてコンピューター・ゲーム機器などが子供たちの遊びのスタイルを激変させていった。


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今、40歳のニケンさんが憂い、過ぎ去った時代の遊び方を愛おしく懐かしむ背景には、皆が経済的には貧しかったが、互いに隣人を助け合って生きた、豊かな精神生活があった時代への回顧がある。電子ゲーム興隆の背景には、時代と社会の変貌がある。その全てが悪いと言うつもりはない。しかし、ジョグジャカルタ周辺部から消え去った、あるいは消滅しようとしている子供の遊び文化を知る時、ニケンさんがなぜキャンバスに「その昔、ジャワの子供たちは、こんな遊び方を楽しんでいました」と描き続けるのか、シンパシーを感ぜずにはいられない。

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【参考ブログ】

テーマ「インドネシアの絵画」のブログ記事
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/theme/e48ffb0122.html

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