パダン・西スマトラ大地震と“友愛援助” Bencana Gempa Sumbar, Padang

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またもインドネシアで大自然災害が起きた。今度はスマトラ島中西部の西スマトラ州(人口約470万人)。それにしても、インドネシア政治史上初めて直接選挙で選ばれたスシロ・バンバン・ユドヨノ(SBY)大統領の一回目の任期5年間は、インドネシア巨大自然災害史と一体をなしている。ユドヨノ政権が誕生したのが2004年10月20日。それから一ヶ月もたたない内に、東ヌサトゥンガラ州のアロール島地震(2004年11月12日)。そして同月の、最東端パプア州ナビレの地震(2004年11月26~28日)。そしてちょうど一ヵ月後の、歴史的未曾有の大被害をもたらした2004年12月26日のスマトラ島北部沖の、いわゆるアチェ大地震と巨大津波。犠牲者は17万人にものぼった。スマトラ島では、アチェ地震の震源南部のニアス島を中心に、翌2005年3月28日に大地震が発生し、千人を超える犠牲者を記録した。
翌年には、五千の犠牲者を生んだ、ジャワ島ジョグジャカルタの大地震(2006年5月27日)。続いて2006年7月17日の、西ジャワ州南岸を襲った津波被災。そして去る9月2日のジャワ島南西沖の地震。そして振り子は、またスマトラ島に戻り、今回の州都パダンを中心とする西スマトラ大地震(2009年9月30日)へ。
これほど多くの“天災”からインドネシアは何を学んだきたのだろうか?次なる自然災害に対して、被害の予防策はなかったのか?地震が起こるたびに発生する大きな人命の喪失。“神の思し召し”として死を受け入れる死生観が、被害の連続性を看過しているのだろうか。
日本政府はいち早く、救援隊を送り込み、地元で歓迎されている。また、自衛隊の派遣も検討中とか。援助は国際社会において素晴らしいことには違いない。しかし、いつもいつも、事が起きてからの対処療法に終わっていないか。互いに地震と津波、そして火山災害に縁の深い両国。日本が有する体験---例えば耐震構造に関する支援、防災意識普及のソフト援助など---を事が起こる前に実施することはできないものか。地元にある比較的安価な素材で、少なくともこれまでよりも優れた耐震家屋にリフォームすることが可能との、日本人研究者のリポートを読んだことがある。
巨額を投じての防災ダム建設の援助も否定はしない。しかし、今後も自然災害が起こることが容易に想像できるインドネシアに対して、かつての大東亜共栄圏に代わって「地震・津波・火山被害防止共栄圏」的な国際協力ができないものか。それこそが、まさに“友愛援助”だと筆者は思う。


パダン市内中心部、ブンド・カンドゥン通りにあった四つ星ホテル・アンバチャン・ホテル(Ambacang Hotel)。全倒壊の瓦礫の下にはまだ100名前後が生き埋めになっているという。同ホテルのホームページから引用。

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パダン市内衛星画像。

パダン北西沖でマグニチュード7.6の強い地震が発発生した直後から、筆者はパダン在住の友人との電話連絡を試みたが、ようやく通じたのは翌日10月1日、日本時間の昼頃。同市でコンピューター会社を営むアンドゥレー・ユベルタ(Andre Yuberta)さんは、ハイテク好き。携帯電話も各社のものを所有していて、その結果、生き残った二社の携帯網のおかげで外部とコンタクトすることができた。また会社に自家発電機を持っていたことが、その後のバッテリーチャージなどに役立っている。『近所の住民の携帯電話の充電をしてあげることができますし、また、パソコンを動かすこともできます』とアンドゥレーさん。


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アンバチャン・ホテル(衛星画像)。

2009年10月3日の日本時間午後15時時点までにアンドゥレーさんが伝えてきた、パダン(人口約84万人)並びに周辺地域の情報は以下の通り。

① パダン市内の水道は地震直後にはまだ出ていたが、今はほとんど流れていない。そこで、井戸が大活躍。保健所や病院で使用する水は、井戸水を濾過した後に用いている。

② 電気は、10月2日の夜、市内の25%程度のエリアで復活した。その他の地域は、電力公社の話によれば、断線している箇所が多いので、通電することが不可能。二次災害を避けて、電線の復旧を急いでいる。

③ 市内の道路は、地震当日と翌日と比較して、現在は比較的順調な流れ。これは、ガソリンや灯油などの生活必需エネルギー源を購入するためのタンクを持っていない車両の通行を制限していることと大いに関係している。

④ パダン市内の犠牲者数は、知りうる限り約730名。この他、行方不明者が約350名。『あくまでも個人的な推定ですが、市内の犠牲者数はおよそ1,500名程度に達するのでは』

⑤ 一方、これまで州都のパダンの被害に注目が集まっていたが、その周辺部での被害が、より甚大であることが分かってきた。例えば、パダン北西のパリアマン(Pariaman・人口約38万人)では、特に山岳地帯での土砂崩れによって生き埋めとなった村が多数あるという。『パリアマンの内陸部にもようやく救援隊が入り始めましたが、その被害は、おそらくパダン市内のそれを軽く上回るでしょう。現在分かっているだけでもおよそ200人が生き埋めと言われる村があります。特に被害が目立つのはマルンギ(Marunggi)村で、そこでは8割方の家屋が全壊しているそうです』
パリアマン地域では、1,700軒の倒壊と700軒の半倒壊が報告されているという。

⑥ 被災地住民が必要としている物資は?『医薬品や食料品はもちろんのことですが、生活に欠かせない、きれいな水、毛布、懐中電灯、乾電池、マッチなども不足しています』


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西スマトラ州の州都パダン市(衛星画像)。

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パリアマン(Pariaman)はパダンの北西に位置する。東部に丘陵・山岳地帯が広がる。多くの村が崩壊した山の土砂に埋まった。

【参考Website】

メトロTV
http://www.metrotvnews.com/






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