ササンドゥ・ミュージックと沖縄音楽文化(Musik Sasandu & Musik Okinawa)

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滞日中のNTT(東ヌサトゥンガラ)州を代表する伝統弦楽器ササンドゥ(Sasandu)の演奏家ザカリアス・ンダオンさん。4月9日(金)の東京・中野のZEROホールに次いで、4月14日、来日以来二回目の“公演”を東京・池袋で行った。場所は、都内屈指の琉球料理店である「みやらび」。琉球舞踊の大家、川田功子さんが経営するシアター型レストランだ。
ザカリアスさんは、インドネシアの最南端のロテ(Rote)島出身。そして彼が一番好きな日本の曲が「島唄」。ZEROホールのコンサートも「島唄」で始めた。そして沖縄も日本最南端の県。「島唄」の故郷だ。
同店ではたまたま沖縄県出身者の集まりの親睦会が開かれていた。そこへ突然のササンドゥ演奏の登板。一曲目はもちろん「島唄」。
棕櫚椰子の若葉と竹筒で構成されるササンドゥ。そのハープに似た調べに、泡盛が入ったグラスの手が停止。皆さん、不思議な形をした楽器から流れる不思議な音色に聴き入った。『まぶたを閉じて聴くと、浜辺の波打ち際の水音と、穏やかな風に揺れる椰子の葉の光景が浮かんできますね。これは沖縄の三線(三味線)と実によく似てますね』と、元民放記者のBさん。『この楽器って、三線とコラボレーションしたら、ひょっとしてものすごく合うかもしれないわね。今度やってみましょう』と川田さん。
世界中でロテ島にしかないササンドゥ。今、ササンドゥが三線とお見合いを始めようとしている。



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(注)インドネシア文化宮(GBI)は、「みやらび」の協力を仰ぎ、近々、同店でザカリアスさんによるミニ公演、そして三線とのコラボ演奏会を計画しています。詳細が決まり次第、ブログにアップします。
また、4月18日(土)には、二回目となるササンドゥ演奏方法の講習会を開催致します。



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「みやらび」で演奏するザカリアスさん。


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“おひねり”を集めて回るお客さんも。


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アンコールに応えて「Amazing Grace」を奏でるザカリアスさん、そして川田さん(右)


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NTT(東ヌサトゥンガラ)州を代表する、伝統楽器ササンドゥの演奏家ザカリアス・ンダオンさんからササンドゥの演奏方法を学ぶ講座を、下記要領で行います。この講習会を通して“音の世界遺産”ササンドゥの不思議な魅力に触れて下さい。


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2009年4月11日(土)にインドネシア文化宮(GBI)で行われたササンドゥ演奏方法講習会の光景。 


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【ササンドゥ演奏講習会】

日時】2009年4月18日(土)
 
第一回: 13:30~15:30
第二回: 16:00~18:00


場所】 インドネシア文化宮(JR高田馬場駅より徒歩約6分。地図参照)

受講料】 ¥1,000#

申込】 お名前、住所、電話番号(携帯電話)を明記し、第1回、第2回のいずれかを選択・指定してメールでお申し込みお願い致します(okawa@mxg.mesh.ne.jp)。


備考1】 ササンドゥ演奏実演は、雨天でない限り、4月15日(水)~17日(木)の13:00~14:00、17:00~18:00、インドネシア文化宮で披露されます(鑑賞無料)。

備考2】当日(2009年4月18日)、「アチェ・ドキュメンタリー映画鑑賞会」も実施されます。詳細は以下のブログを参照してください。

アチェ・ドキュメンタリー映画【Slient After War】上映会のお知らせ
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200904/article_11.html


【インドネシア文化宮の場所】東京都新宿区下落合1-6-8(東京富士大学図書館前正門向かいのビルです)





東ヌサトゥンガラ州のあらまし

バリ島のずっと東、フローレス(Flores)島からアロール(Alor)、そしてティモール(Timor)島までの南緯8~11度の間に、一本のサンゴでできた首飾りのように点々と連なる島々。そこが、ティモール島西端付近に位置するクーパン(Kupang)を州都とする東ヌサトゥンガラ(Propinsi Nua Tenggara Timur)州。ここには世界で知られる3つのものがある。イカット(IKAT・絣織り)、コモドオオトカゲ(コモドドラゴン・1991年、コモド国立公園は世界自然遺産に指定された)、そして三色湖のクリムトゥ(Kelimutu)山。
“東インドネシアのパラダイス”を謳うNTT(Provinsi Nusa Tenggara Timur・東ヌサトゥンガラ)州には現在20県と1都市(クーパン)の計21の行政単位がある。人口は約436万(2006年統計)。主要な島は、西から、コモド(Komodo)島、スンバ(Sumba)島、フローレス(Flores)島、アドナラ(Adonara)島、ロンブレン(Lomblen・あるいはLembata)島、パンタール(Pantar)島、アロール(Alor)島、サヴ(Sawu)島、ロテ(Rote)島、ティモール(Timor)島など。


【ロテ島メモ】


ロテ島は、ティモール島の南西に位置し、2002年7月2日に誕生したロッテンダオ(Rote Ndao)県の県都であるバア(Baa)所在地。同県の面積はおよそ1,280km2で96の島から構成。内6島に住民が暮らし、その他の島は無人島。人口は約105,525人(県政府2006年データ)。6郡(Kecamatan)から構成。ロッテンダオ県は、20県と1都市から成るNTT(東ヌサトゥンガラ)州に属する。州都クーパンからは、毎日一便往復する高速艇で約2時間の距離。
18世紀初頭のオランダ植民地下、キリスト教が本格的に伝播し、現在では、県民のおよそ95%がキリスト教徒。域内には小学校が126校、中学校が21校、高校が11校。私立大学の分校が3校ある。
ロテ島は、インドネシア共和国の最南端に位置し、海を隔ててオーストラリアと一衣帯水の距離。世界で、この島にしか存在しないロンタール(棕櫚椰子)と竹でできた楽器・ササンドゥ(Sasandu)が知られているが、お土産としての生産はあるものの、純粋に伝統楽器としての継承は危うい状況にある。さらに、ロンタールの葉で編んだ独特な帽子(Tiilangga)は、盛装時に欠くことのできない男性のアイテムとなっている。
ロテ島の西端に、世界のサーファーに知られるナンベララ(Nemberala)海岸があり、6月~10月のシーズンには、世界中から多くの若者が訪れる。県都のバアから車で約30分の距離にあり、オーストラリア人が経営するコテージもある。インド洋から吹き付ける強風で生まれるナイン・ウエーブ(9 Wave)は、その規模としては、インドネシア国内でも最高レベル。
県都のバアから船外エンジン付きの船で2~3時間の距離にあるンダオ(Ndao)島は、イカットの産地として知られている。ロテ島のイカットとは、まさにンダオ島のイカット生産を指すといっても過言ではない。また、同島では銀細工の生産も盛ん。
ロテ島(ンダオ島)のイカットの特徴は、幾何学模様風に、植物や花柄が多用されている点。また小鳥を配するなど、繊細で女性的なデザインが特徴。また、かつてヨーロッパ人の寄港、そして地元の女性との婚姻などを通じて広まった欧州文化の影響が、例えばバラの花びらのモチーフなど、どことなくヨーロッパの香りを漂わせるイカットも少なくない。藍染の紺地に、ムンクドゥの根やマンゴの樹皮から抽出した赤とのコンビネーションが美しく、また柔らかなクリーム色の使用も温かみを感じさせる。



変化するササンドゥ

楽器ササンドゥの原型は、棕櫚椰子の葉をそのまま丸めることによって生まれる半球形。しかし、梱包や移動に不便なことから、最近では、葉を短冊状に繋いだ、折り畳み可能なササンドゥが作られるようになってきた。両者の間には音質面で微妙な差があるはずだが、今や主流はポータブルタイプの折り畳み型ササンドゥ。大きさは、高さがおよそ50~60cm、扇状に広げると、最大横幅が約50cmだが、閉じるとわずか10cm足らず。ササンドゥは、棕櫚椰子の葉、そして竹筒、さらにマホガニ製の軸などから構成。弦は32本が主流で、重さは約1.5Kg前後。



【参考ブログ】

ササンドゥ演奏方法講習会のお知らせ(Belajar cara main Sasandu)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200904/article_12.html

ササンドゥ・ミュージック@中野ZERO(Musik Sasandu di Tokyo)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200904/article_10.html

ササンドゥ演奏家ザカリアスさんが来日(Pemain Sasandu tiba di Tokyo)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200904/article_8.html

ササンドゥ奏者のザカリアスさん来日へ(Pemain Sasandu ke Tokyo)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200904/article_7.html

ササンドゥ日本初公演まで秒読み(Konser Musik Sasandu)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200904/article_6.html

“音楽の世界遺産”ササンドゥ演奏会が4月10日、東京・中野で(Musik Sasandu NTT)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200904/article_5.html

“音の世界遺産”と呼ばれるササンドゥの調べ。4月10日、東京・中野で。(Sasandu)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200904/article_4.html

ロテ島の伝統楽器ササンドゥ演奏特別公演会のお知らせ(Konser Sasandu dari NTT)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200903/article_30.html

インドネシア最南端・ロテ島のササンドゥ演奏会のお知らせ(Konser Musik Sasandu)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200903/article_10.html

NTT州のイカットとササンドゥ音楽展がスタート(Pameran Ikat & Sasandu NTT)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200902/article_27.html

『東ヌサトゥンガラ州のイカットとササンドゥ音楽展』開催のお知らせ(Pameran Sasandu)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200902/article_15.html

ロテ島ササンドゥ物語(5) Sasandu, Rote, NTT(5)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200811/article_10.html

ロテ島ササンドゥ物語(4) Sasandu, Rote, NTT(4)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200811/article_8.html

ロテ島ササンドゥ物語(3) Sasandu, Rote, NTT(3)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200811/article_7.html

ロテ島ササンドゥ物語(2) Sasandu, Rote, NTT(2)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200811/article_6.html

ロテ島ササンドゥ物語 (1)  Sasandu, Pulau Rote, Propinsi NTT
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200811/article_5.html

ロテ島の楽器ササンドゥの運命(2) Nasib Sasando di Pulau Rote(2)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200808/article_4.html

ロテ島の楽器ササンドゥの運命(Nasib Sasando di Pulau Rote) (1)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200808/article_3.html

ロテ島&サブ島伝統イカット展(Pameran Ikat Rotendao & Savu-NTT)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200801/article_1.html

インドネシア最南端のロテ島で伝統イカットが消滅(Tenun Ikat di Pulau Rote)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200709/article_2.html

インドネシア文化宮活動記録(日本語・Kegiatan GBI dalam Bahasa Jepang)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200610/article_2.html

インドネシア文化宮活動記録(インドネシア語・Kegiatan GBI dalam Bahasa Indonesia)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200610/article_4.html

インドネシア文化宮2008年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2008)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200901/article_1.html

インドネシア文化宮2007年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2007)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200712/article_2.html

インドネシア文化宮2006年活動記録(Kegiatan GBI pada tahun 2006)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200612/article_8.html

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