ロテ島の楽器ササンドゥの運命(Nasib Sasando di Pulau Rote) (1)

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インドネシア最南端のロテ島(Pulau Rote)。NTT(東ヌサトゥンガラ)州の一県だ。州都のクーパンから高速艇でおよそ二時間の距離にある。ロテ住民にとってロンタール(Lontar・棕櫚椰子)は、生活と切り離すことのできない、最も重要な樹木。ロンタールがふんだんに生み出す甘いトゥアック(椰子液)は、煮込んで主食にしている地域もある。また、トゥアックを蒸留して作るソピ(椰子酒)は、どことなく沖縄の泡盛にも似て、強いアルコール度で、村人を酔わす。
そして、ロンタールの葉は、世界でロテ島にしか存在しない弦楽器ササンドゥ(Sasando)の素材を提供している。しかし、世界に誇る伝統楽器ササンドゥの運命は、風前のともし火の状況にある。ロテ島で誰もが知るササンドゥの作り手であったサムおじさんは他界。今や後継者はなく、アマチュアレベルの物を作れる者しか残っていないと聞く。州都のクーパンには、ロテ島出身で、いまだにササンドゥ作りを続けている何人かがいるが、原型に忠実なササンドゥは製作されておらず、折りたたみ式の、移動が簡易なタイプのみが作られている。
袋状で半球型の原型に比べれば、もちろん音に多少の差が生じることは裂けることができないが、折りたたみタイプの現代版でも、演奏に重大な支障は無い。また、原型が7-11本の弦であったのに対して、現代版は、30~40本の弦を用いることによって、あらゆるジャンルの音楽演奏が可能となっている。
インドネシア文化宮(GBI)では、地球上唯一のこのササンドゥ楽器の消滅を防ぐため、また作り手・演奏家の養成と、ホームインダストリーとしてのササンドゥ製作を支援するため、NTT州政府と協力して、今後、数々のササンドゥ振興活動を続けていくことになりました。
その一つとして、2009年の春をターゲットに、日本でササンドゥ公演&ササンドゥ演奏習得講座を企画しています。小さな南の小島から、世界に向けてササンドゥの神秘的な音色を発信していきたいと思います。

上の画像は、ロンタールの根元で、ロテ島の伝統帽子ティーランガを被り、折りたたみ形式の自作のササンドゥを演奏するザカリアスさん

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NTT州政府知事執務室で、フランス・レブ・ラヤ州知事と面会するGBI代表。両者は、NTT州政府のWeb版日本事務所を開設することでも合意。


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ロンタール樹木は、ロテ島やティモール島など、サバンナ的な、決して肥沃とは言えない土地でも、たくましく成長する。ロンタールから採れるアルコールはバイオ燃料としても注目されている。


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ササンドゥの作り手であり、名演奏家でもあるザカリアス氏(Zakharias Ndaong 29歳)は、ポリオに冒された不自由な足のハンディを気にすることなく、ササンドゥの復活と振興に努めている。州都クーパン市内にある州商工局が設置した工芸品促進エリアにある一軒を借り、ササンドゥの工房としている。


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州都クーパンに暮らすザカリアスさん一家。奥さんのレトゥノさんもロテ島出身。その昔、ザカリアスさんが北スマトラ州のメナドでササンドゥ演奏会を開いた際、故郷の懐かしい響きを求めて来場していた今の奥さんと知り合い、「瞬間的に」結婚を決意したとか。一人息子のプトゥラヨサレット君は2007年5月に生まれた。

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ザカリアスさんのササンドゥ演奏を収録したCD。五輪真弓の「心の友」も入っている。


【参考ブログ】

ロテ島&サブ島伝統イカット展(Pameran Ikat Rotendao & Savu-NTT)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200801/article_1.html

インドネシア最南端のロテ島で伝統イカットが消滅(Tenun Ikat di Pulau Rote)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200709/article_2.html



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