オランウータン(No.1) Orangutan di Kalimantan Tengah(1)

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中カリマンタン州(Propinsi Kalimantan Tengah・略してKalteng)は、これまで半世紀にわたり、その豊かな熱帯林を伐採することを州の最大収入源としてきた。その結果、驚異的な森林破壊が引き起こされ、同時に森の生命も危機的状況に追い込まれた。上空から眺めれば、それでも緑の絨毯のようにも見える同州の森の多くは、実は、伐採後に自然回復した、いわゆる人の手が入った森だ。豊かな生態系を持っていたはずの大自然は、壊滅的破壊を余儀なくされ、“森の人”の意味を持つオランウータンは、生息地を人間に奪われた。
テラス同州知事が強調する。「カルテン(Kalteng)は、自らの身体を削ぐ(殺ぐ)ことによって、この50年を過ごしてきた。しかし、その結果残ったものは何だったのだろうか?真の森は消え、森から全てを得てきた先住民族のダヤクも、その生活形態を大きく変化させられた。私は州知事として、このカルテンを、かつてのような、熱帯林の生い茂る、豊かな森に戻したい。そこには当然のことながら、“森の人(オランウータン)”が自由に暮らしていなければならない」と。同州は今、テラス州知事の施策の下、“熱帯林破壊”の悪夢から解き放たれ、“熱帯林に育まれた民族文化の復興”に力を入れている。



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中カリマンタン州は、“オランウータン(森の人)”の保護を、国際NGOとの協力で推し進めているが、オランウータンを観光の目玉とする意図は持っていない。なぜならば、オランウータンは、彼らが元々棲息していたジャングルで、人間との摩擦無しに、自由に生活すべきだとの、テラス州知事の方針が背景にある。実はオランウータンの自然回帰の努力も、数々の問題を含んでいる。それは、“回帰”すべき森がもはや存在しないことに帰する。元々の棲息地から、ある意味で“強制的に”移動させ、新たな土地で、自然に帰すという、どうみても人間の身勝手な姿勢が見え隠れする。

上と下の画像は、BOSが運営するNyaru-Mentengリハビリセンターのゲート


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タイから返却された48頭の“元キックボクサー”のオランウータンの運搬用ケース


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州都パランカラヤから車でおよそ40分に位置するニャル・メンテン(Nyaru Menteng)にBOS(The Borneo Orangutan Survival Foundation)が州政府と協力して運営するオランウータン・リハビリ・センターがある。ここには、2006年9月に、タイから返還されたオランウータン48頭も暮らしている。彼らは、タイでキックボクシング芸をさせられていたそうだ。
中カリマンタン州には野生のものも含めておよそ600頭がいると推定されている。ニャル・メンテンの管理は厳重で、特に人の出入りは厳しく制限されている。州政府の林野局の許可がなければゲートをくぐることはできない。「人間が持ち込むであろう病原菌、特にB型肝炎は、オランウータンにとって大敵です。そこで、私たちスタッフもエリア内ではマスクを着用しています」と、国立パランカラヤ大学農学部卒でBOSの広報担当のウントゥンさん(25歳)。
ニャル・メンテンにいるオランウータンの多くは、元々は地元住民がペットとして飼っていたものや、油ヤシのプランテーション開墾に伴って、生息地を奪われた“森の人”だ。「カリマンタン島には、推定でおよそ40,000頭のオランウータンが生息しているものとされていますが、その減少傾向は危機的状況です。特に自然発火、そして人的に引き起こされる森林火災が彼らの生息地を奪い続けています」とウントゥンさん。



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この大型の施設に入っているオランウータンは“卒業間近”。やがて、恒久的な“移民地”へと移動する。


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リハビリセンターの敷地内にある、オランウータンの墓。“森の学校”を“卒業”できないまま、死を迎えた“森の人”が手厚く葬られている。卒塔婆代わりに、オランウータン姿の墓標が並ぶ。


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【参考URL】


The Borneo Orangutan Survaival Foundation(BOS)
http://www.orangutan.or.id

中カリマンタン州(No.5)オオコウモリ (Prop.Kalimantan Tengah)No.5
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200706/article_9.html

http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200706/article_8.html
変貌する中カリマンタン州(No.4)Propinsi Kalimantan Tengah(No.4)

変貌する中カリマンタン州(No.3)Propinsi Kalimantan Tengah(No.3)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200706/article_7.html

変貌する中カリマンタン州(No.2)Propinsi Kalimantan Tengah(No.2)
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200706/article_6.html

変貌する中カリマンタン州(Propinsi Kalimantan Tengah) No.1
http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/200706/article_5.html

中カリマンタン州政府公式ホームページ
http://www.kalteng.go.id/



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