アロール島でミスコンを主催

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                            2006年度ミス・アロールに選ばれたウエルミ・ポンさん


アロールでミスコンを実施できるのかな?-----2004年8月3日~7日の『第3回アロール・エキスポ』期間中、早くも翌年のイベント内容の構想を始めた。この年のエキスポには、旧知のイ・グデ・アルディカ観光文化相(当時)が、お供を連れて首都ジャカルタからやってきてくれた。スハルト政権下で、大臣が訪れることなどほぼ皆無だった、インドネシア国内でも最貧州と言われていたNTT(東ヌサトゥンガラ州)。そのNTT州の中でも、さらに国内的に認知度が低かったアロール県。インドネシア文化宮(GBI)と同県政府の要請に応じて、来県を快諾してくれたアルディカ大臣。県民の熱烈歓迎振りは凄まじかった。古老の一人は「生きていて良かった。この目で大臣の顔を見れたんだから。ありがたいことだ」と、涙を浮かべながら感想を述べた。
第3回エキスポでGBIは、恒例のイカット(絣)コンクールに加えて、小中高生による詩の朗読コンテストや、誰でも参加できる写真コンテストなどを提案、実施した。県民が自らの言葉で、そして自らの目を通じて、故郷をどのように描き、写し出すのかが狙いだった。前年のエキスポで、GBIは県民の“宝”であるモコ(銅鼓)の演奏と品評大会、そしてイカットを用いたファッションショーや大衆演劇コンクールを提案し、県民各層・年齢層の参加を呼びかけ、期待以上の成果をあげた。



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伝統衣装に次いで、イブニングドレスによる登板


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伝統衣装の披露。山岳地域出身の青年は、伝統的な樹皮製の衣装で登場


子供たちやイカットやソンケット織りの女性たち、そして青年層が参加する文化イベントを行ってきたが、ふと考えると、若い女性たちが参加するテーマがなかった。そこで、県が誇るイカットやソンケットを着用した女性が、エキスポを彩る参加型イベントとして“ミスコン”の可能性を県政府に提案してみた。イスラム教徒が圧倒的人口のインドネシアでは、都市部を除くと、まだまだ女性の“過剰な”エックスポーズは社会的な賛同を得ない状況にある。もちろん、GBIの狙いは、女性の美貌を品評することではない。地場産業の重要な製品であるイカットやソンケットなどの布を、これまでのように単にサルン(腰巻)やスレンダン(肩掛け)にとどまらずに、スカートやドレス、ジャケットなどの素材としての可能性を探りつつ、そしてアロール県を国内外にアピールするためのPR役としての“ミス・アロール”の誕生に期待した。
県政府の反応は、賛否両論だった。やはりイスラム・ファクター、そしてアロール独特の伝統や慣習が、その実施に否定的な見解を示した。しかし、強い味方が現れた。それは、若い女性たち自身だった。GBIの趣旨に賛同した県政府の女性職員や、地元のマスコミ関係者らが、ミスコン構想を支持してくれた。こうして、2005年8月4日~7日に開催された第4回アロール・エキスポで初めて『第一回ミス・アロール・コンテスト(Pemilihan Putri Alor)』が正式プログラムとして採用された。ミスコン実施委員会メンバーのスリ・イナン・アナンダ・エンガさん(アロール県観光局職員)は、当時、週刊紙『Alor Pos』(Edisi 78/Thn.II 1 Agustus 2005)のインタビューを受け、「選ばれるミス・アロールの最も重要な条件は、このアロール県を熟知し、その魅力を国内外で発表することができる能力を持った女性だ」と述べている。



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日本からやってきたグループや招待客らが舞台に熱い視線を


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公正な審査を約束する宣誓書にサインした審査員たちも真剣


参加資格は唯一、アロール県生まれで、15-25歳の未婚女性。学歴や身体的な条件は一切ない。2005年のミスコンは、20名を超える応募者の中から最終選考に10名が残った。審査員は、審査委員長をGBI代表が務め、ジャカルタのタマン・ミニのNTTパビリオンのスタッフ、地元の文化人、県観光局職員、女性団体スタッフ、美容院経営者、そしてデザイナーの計7人。審査項目は極めて詳細、複雑。しかし、“美貌”に関する項目は無し。イカットやソンケットのドレスのセンスに始まり、歩き方、しゃべり方、地元に関する知識などが、質疑応答も含めて審査された。その結果、デルビンチェ・リウ・オジャ(Delvince Riwoe Odja)さん(22歳)が見事、初代ミス・アロールに選ばれた。
デルビンチェさんは、その後、県の観光PRチームの“華”として、バリ島で行われた全国観光大会や、州の観光イベントなどに参加、期待通りの職務をこなしたそうだ。そして現在は、県観光局の臨時職員として働いている。今夏、滞在しているホテルにデルビンチェさんが話がしたいと、やってきた。聞けば、昨年GBIから約束されていた優勝賞金(バリ島で一ヶ月間、アロール観光PRのためのノウハウを学ぶための費用)を、バリ旅行には使わずに、アロール県を巡る資金として使ってもいいかどうかを尋ねたっかたそうだ。「去年、県の仕事でバリへ行って痛感したんですが、自分がいかに故郷のことを知らないかって。小さな島々だけれども、このアロールには、まだまだ私が知らない魅力が溢れているような気がするの。だから、賞金は故郷を端から端まで回る費用として使いたいの」とデルビンチェさん。どこかの国のミスなんとかとは違って、ほんとにナイーブで素敵だな。



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Miss.AlorそしてMr.Alorの候補者たち。“汚染されていない”素朴さがにじむ


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審査終了後、舞台上で日本からのエキスポ参加者らと並んで記念撮影


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2005年度ミス・アロールのデルビンチェ・リウ・オジャさんと
2005年度県観光親善大使のマルギマン・ナレさん



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授賞式で司会者の紹介で舞台に登板したミス&ミスター・アロール候補者たち


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一目見ようと、ミニ・スタジアムに押し寄せた観客。



2006年8月3日~7日に行われた第5回アロール・エキスポ。GBIは、既報の『日本のイカット(絣)&着物展』や『寿司調理講座』、そして『日本語会話短期講座』などの日本関連文化イベントを実施する傍ら、『イカット染色用の自然色100種を目指すコンクール』や前年に次いで『アロール児童絵画コンクール』、『伝統コマ競技会』などを県政府と共催した。前年大成功を収めた『ミスコン』については、第二回目の実施を考慮したが、今夏は是非、アロールの今日を作ったお年寄りたちに桧舞台を踏んでもらいたいとの願いから、『Mr.おじいさん&Mrs.おばあさんコンテスト』を提案し(そして実施し)た。ところが、現地へ行ってみると、なんと、『第2回ミス・アロール・コンテスト』が県観光局の主催で行われることになっていた。そして今回も名誉審査委員長のポストが待っていた。「昨年、実施前には反対した政府の一部幹部たちも、その大成功を目の当たりにして、ああいったミスコンならば是非今年もやろう、となったんです。そればかりかミスコンが、20種を超える文化・スポーツイベントから構成されるエキスポの、シンボル的なイベントとして認知されちゃったんですよ。地元のイカットやソンケットのファッションが直に見られて、その上、各郡選抜の可愛い娘さんが舞台に上がることで、ファッションを見たい女性たちや、そして当然ですが美人を見たい男性たちを満足させる結果になったのです」と、成功の鍵を解説するスリ・イナンさん。


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閉会式で第5回アロール・エキスポの成果を総括するGBI代表


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素足がなんとも良い!

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2005年度ミス・アロールのデルビンチェさんも二代目ミス・アロールの誕生を見守る



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                 2006年度ミス・アロールのウエルミ・ポンさん。17歳の高校生。神秘的な瞳。イカットがとても似合う


さらに、今回はミスと同時にミスター・アロール・コンテストも同時に行われることになった。最終選考に残った女性8名、そして男性4名の計12人が、出身地のイカットやソンケットで作ったロングドレスや伝統アクセサリーを着用、小休憩を挟んでの衣装直しでは、女性はイブニングドレス、そして男性はスーツ姿に変身。軽快なリズムにのって、決して広いとは言えない、県知事公邸脇にある舞台上で、パリコレ並みのステップを披露した。
ミスコンの熱気ぶりは、確かに凄まじかった。エキスポ最終日に行われた閉会式兼授賞式のメインイベントがまさにミスコンの受賞者発表式典になった。式典が行われた、市の中心部にあるミニ競技場。照明不足で薄暗い運動場。しかし、そこに数千名の観客が押し寄せた。迫り出た舞台の周辺は、目をギラギラ輝かせた男性陣。警備の警察や兵士もあちこちに。刺激的な娯楽が少ない小さな島が故に、これほどまでにも集まるのか、それともやはり“綺麗なお姉さん”は万国共通の関心事なのか。洒落た都会的なステップや、セクシーな動きに、会場からはどっと笑い声と嬌声。ミスコンは確実に市民権を得ていた。
来年の第6回アロール・エキスポ。市民権を得たミスコン&ミスターコンは間違いなく実施されるだろう。一年で一夜限りの華麗で、興奮渦巻く舞台。“モコ(銅鼓)の島”アロール。鈍い青銅の太鼓の音とともに、アロールの若者たちがアロールの未来像を主張し始めた。




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              2006年度ミスター・アロールのウンブ・デリス・ワリーさん(20歳)とミス・アロールのウエルミ・ポンさん(17歳)


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2006年度Miss.AlorとMr.Alorに賞金と記念品を手渡すGBI代表



【参考URL】


アロール島事典(日本語): http://alor.hp.infoseek.co.jp/

アロール県Website(英イ語): http://www.alor-island.com/

インドネシア文化宮:http://clik.to/GBI




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